ニューヨーク特派員報告
第202回

50歳記念ツアー


この夏、無事に50歳を迎えることができた。色んな事があったが、今でも音楽をやりつづけいけていることに感謝。まずまずではなかろうか。今回、20年前に集中的にコラボしていた詩人99hookerとの日本ツアーも無事に終えることができた。初めてアメリカ人アーティストを日本に紹介するツアーであった。彼の息子のジャックと共に楽しい旅をすることができた。1週間38000円で新幹線グリーン車乗り放題というJRパスを使っての移動であった。

ツアーといっても、宇都宮、大阪、京都、と名古屋というミニなものであったが、内容は濃かった。かつて名古屋を拠点に活動していた頃は、毎月のように関西と東京へバンで通っていたものだ。大阪の難波ベアーズはその頃にお世話になっていたハコ(ライブハウス)で25年ぶりにそのステージに立てて感無量であった。楽屋も相変わらずで、当時一緒につるんでいたバンド仲間が駆けつけてくれ、ブッキングマネージャーも一緒にライブ以上に打ち上げが大いに盛り上がった。

宇都宮は初めて訪れた街であった。ニューヨークで知り合ったシンガーのしずかさんが色々オーガナイズしてくれた。Lynchという小さなバーであったが、とても歓迎してもらった。アメリカから来ると言うことで興味を持ってたくさんの人がきてくれた。といっても二十人も入るとギュウギュウになるようなスペースであったが、間近に寄り合うことによる親近感があって手応えを直に感じた。ライブ後、そのまま地元の人々と飲みながら会話も盛り上がった。

京都は、かつてニューヨークを拠点にしていたBingさんとダンサーのヨーコさんが我々のツアーに合わせてHE?XION! NITEという身体表現と電子音楽系即興演奏を中心にした企画を組んでくれた。20年前にニューヨークで一緒に活動していたアマリリスのアリスセイラーさんも交えて、全国から多数のDJも集まった盛大な企画であった。朝の6時半まで踊り続けるという久々な夜であった。Bingさんは昔から、知っているアーティストだが、かつてよりさらに気合の入った演奏・パフォーマンスをしていたので、ものすごく刺激になった。

最終日の名古屋は、今池時代の仲間達との共演を果たすことができた。特に今池で最年長であるノイジシャン、ガイさんの音楽を観られたのは僕にとってはとても嬉しいことであった。灰野敬二や非常階段などは海外で知られたノイジシャンだが、今池という土壌で奏で続ける彼の音楽やそのシーンももっと評価されるべきだと僕は思うし、それはそこから影響を受けて活動を続ける僕の役目なのかもしれない。その日のライブは僕の中学、高校の友人からバンド時代の仲間までたくさんの人が集まってくれた。その後の打ち上げで、50歳の誕生日のカウントダウンをしてもらい最高の誕生日パーティーとなった。

ツアーの間、オフ日は2日あって、ジャックとHookerを観光案内する予定であったが、打ち上げで疲労していた僕はご飯を一緒に食べに行く事ぐらいしかできなかった。Hookerは旅なれているので、自分であちらこちらと回って満喫していたようなのでよかった。子供中心に動くとなるとてんでどうしたらいいかわからなかった部分も多く、色々勉強になった。特に食べ物などは、好みの問題があるので難しいことを改めて知った。

作曲家は自分の誕生日にコンサートをして祝うことが多い。ピエール・ブーレーズやジョン・ゾーンも大きな節目にたくさんコンサートをした。今回はたまたまHookerの旅行に合わせて、ツアーを組むことになったのだが、思いがけず沢山実りのある結果になり、とても充実した時間を過ごすことができた。これからも弛み無い努力を続け、新境地を切り開き続けていきたい。

もくのあきおは音楽家。電子音響音楽の作曲を中心に、ノイズバンドやメディア・パフォーマンスなどでも活動している。

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