CHOKO

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12月17日、ビクターのインディー"SPARKLE LABEL"からリリースされるCHOKOのニューミニアルバム"terrorism"。今年はカセット音源のリリースはあったものの、昨年7月のCDリリースから1年以上ファンは待ち切ったわけだ。
長かったな。CDが出るまでも長かったけど、彼らの心境がここにたどり着くまでも長かった。昨年くらいからずっとバンドの存在意義を探すような内省的な作業を行なってきたが、東京、大阪でのコンスタントなライブ活動が少しづつ形となってきた今、CHOKOは再び外の世界へ向かって彼らの音楽を発信しようとしている。そんな予感の前兆となるべきCDについてVo.G矢野君に話をきいてみた。

―ライブの合間にレコーディングをして、12月17日のリリース、レコーディングはやっぱ大変だった?

矢野「10日?そんなことないや、12日間だったんだけど、かなーり長い感じがしましたね。一応3日間とか空けて、また再開するっていう感じなんだけど、最後の録りの前に病気にかかっちゃって・・・最初風邪だと思って、点滴とか注射うって早く直そうとしたんだけど、全然直らなくてどんどん体が気持ち悪くなってきちゃって。『もしかしたら体に菌が入っちゃってるかもしれない』って言われて採血されて、こんなの初めてだったからメチャメチャ怖くて。バイ菌みたいなのが喉から入っちゃったみたいだね。しばらく点滴に通って・・・それが続いたし、遅れた分、急いで録らなきゃいけなかったから、大変でしたね。サウンド的にも狙うところが多かったし、何回録っても『そりゃないだろう』っていうのがあって時間がかかったし・・・」

―その苦労してつくったものが作品となった今はどう?

矢野「やっぱり、つくってる時は『あーこれでいいのかなー』って思ってた。CDつくる時はいつもなんだけど、出来てすぐ聴くと『うーん』って思っちゃうのね。だから出来上がって3日間くらいは聴かないでおこうって思って。で、新鮮な気持ちで聴いてみたんですよ。自然に聴いてみたら、『ああ、いいじゃん』って思えて。気づいたら結構僕の好きな音だったり、録りたかった音になってた。」

―さっき狙うところがあるって言ってたけど、具体的には?

矢野「サウンド的にはCHOKOのやりたい世界っていうのは、グランジっぽい感じだったり、その上でのポップ感。ラウドでポップ、それがまさにCHOKOがやりたかったもの。陰と陽ではないけど、背の小さい僕が、巨大なものを振り回すようなイメージというか。そういうものが表現できればいいなと思って。

―歌詞はどう?聴いた印象だと重ためな内容かなと・・・

矢野「やっぱね、めちゃめちゃハイテンションか、めちゃめちゃ落ちていくしかない、でもどちらにもにCHOKOがあるって最近思うんだよね。」

―昔のようなハイテンションばっかの時期は終わった?

矢野「そう、そういうこと。このCDの前にカセットテープをリリースしたんですけど、その頃『CHOKOって何だろ』って考えた時期でもあって。すげーダークなものなのか、ポップで明るいものなのかって。で、物凄くダークなものがつくりたくて『collapse remark』を出して、次にハイテンションでは明るいものをつくろうとして、『aspiration remark』の2作品が出来たんですよ。それを振り返って、自分ってこういうものだっていうか、人間ってこういう生き物じゃん?って、すごく言いたくなって。脳天気ばっかにはなれない、ちょっとは考えるようになったかな。そうだね、矢野明裕はやっと日本語が喋れるようになったと思ってもらえればいいかな(笑)。」

―もうすぐ2004年、スタートは1月24日ELLでのワンマンとなるわけですが、来年抱負なんかはある?

矢野「うーん、大まかに言うとメンバーみんな気持ち良くやれればいいなと。それをかみ砕いていくといろいろやることがあると。音楽ってどこまでいっても人だと思うんですよ、人がやってるから。そこを忘れちゃいけない。でも音楽が好きだから音楽を追求しちゃったときに、人の気持ちを考えられなくってるときもあるし。それも人なんだけど。何かきりないんだけどね。」

―では、最後にCHOKOのライブを心待ちにしている人たちへ、メッセージを。

矢野「今度のワンマンはオープニングでburnerd rushっていう東京で仲良くなったバンドを迎えて。Gtは元MY LITTLE LOVERの藤井謙二。僕らはそんな技術のある人たちよりも良いライブをしなければいけないというプレッシャーを適度に持ちつつ、身内ノリになりたくないからルールはきちんと守りつつ、世界へ向けてね、いや、宇宙へむけてね・・・」

―お、だんだんテンションあがってきたぞ!

矢野「そういうバンドをやってたいし。単純に楽しんでくれればいいんだけど、開放したいね。音楽は自由だし、この空間はCHOKOとみんなのものだけになるんだからみんな好きなように楽しんで欲しい。ハイハイって拍手して、終わったら、ハイさよならー、みたいなライブが多いようなんだけど、そういう楽しみ方もいいんだけど、のってきたら体動かしてもいいんだしさ。まずCHOKOのお客さんからそういうのを変えていければいいなと。開放して、楽しんで欲しいなって思います。」

この日の矢野君のテンションはやや低め(笑)だったが、落ち着いて一言一言にきちんと意味を持たせて話すのが印象的だった。これまで彼が区別したがってたラウドなもの、ポップなものを「両方あっていいじゃん、つーか、それが人間だし」と笑って言い切れるようなった気持ちの変化、それが新しいCDに音となって表れている。 なにより、そんな彼がやっと23歳になったというのも、末恐ろしい気がする。明るくて陰鬱でラウドでポップなちいさいモンスター、CHOKOが2004年全国にむけて動き出す。


インフォメーション
  "崩壊テロリズムツアーファイナル"
1月24日(土) CHOKO

oa:burnerd rush
open18:30 start19:00 前売\2000当日\2500(without drink)
@ElectricLadyLand
Ticket Now on Sale!!
 

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