ドルフィンピース

今年の春先からFITSALLでワンマンを行うバンドが多い。その内容も、良く考えられたものだったり、あるいはまったく頭使ってなかったりといろいろで個性的だ。強いて共通点を探すとすれば、みんな『勢い』があるってことだろうか。未知な場所への興味と何にも裏付けはされない自信が生むちから?
今回紹介するドルフィンピースも7月30日にワンマンを行う。もちろん『勢い』に乗っているのは間違いないのだが微妙にその種類が違う。浮き足立つっていうよりなんかこう、皆で手を繋いでじわっと走り出す感じというか…。このバンド自身何回かメンバーチェンジを繰り返して形をつくってきたバンドで、VoのキミエとGtヒョウゴはその過程でどんな状態になっても活動は止めなかった二人だ。その辺にきっと何かあるのだろう、ということで二人に話をきいた。


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ヒョウゴ「メンバーチェンジは今思うと自然なものでしたね。音出してみて、というだけじゃなく、喋ってる時とか…音出してない時でもメンバー間が自然で。ヘンな言い方だと気をつかわない。」
キミエ「ライブやってても気持ちが違う。自分の中で、こうしなきゃ、ああしなきゃって前は頭の中で考えてることが多かったんだけど、今はなんかね、ライブやっててメンバーと目が合って、お互い笑って、納得できる。」

―バンドの音もキミエの表情も分かりやすくなったよね?

キミエ「パワーポップ?」

―ありがちありがち(笑)

ヒョウゴ「リアルロック?感情ロック。最近ありがちの自分の世界にドップリなやつじゃなくて。」
キミエ「人間らしいバンド…かな。なんかね昔の方がひねくれてて、素直に表現したくないって思ってた。その反動かもしれないけど、分かりやすいほうが伝えやすいなと思って。今はライブやってて、自分が笑ったほうがお客さんも笑ってくれる。やっぱ楽しそうにやってないと楽しんでくれないっていうのが空気から伝わってくる。『分かれ!』っていうんじゃなくて、難しくしないで伝わりやすいほうがいいなと思って。目と目があって笑ってくれるのってすごくうれしいんですよね。」

―そんな空気の中でワンマンのですが。

ヒョウゴ「もうね、集大成。一年間やってきたことの区切りなんで、ここまで来た、こっから行くぞ!っていうところをね。面白くしたいというのはあるけど、あくまで音でね。」
キミエ「もっともっとお客さんが身近に感じれるライブがいいな」

―CD発売でもあるよね?

ヒョウゴ「内容はバンドのいろんな面が見えるようにします。勢いあり…」
キミエ「(笑)」

―勢いってよく使うんだ(笑)?

ヒョウゴ「気合だとか、こんな切ない曲もあるんだ、とかそういったような。うーん分かったような分からんような。わからないならわからないと言ってくれ!!(笑)」
キミエ「こんどのCDのタイトル言わなくていいの?」
ヒョウゴ「『音波』。おとのなみ。活動も範囲をもっと広げたいなと。もっとたくさんの人たちに伝えたい。」
キミエ「イルカって音波出して会話したり自分の位置を確認するでしょ?ある意味自分たちの位置を知るためのもの、自分たちから発するものっていう意味もあるし。」
ヒョウゴ「まあ、ワンマンライブに音の波に乗って来い、と。」

メンバーが明るい、そして分かりやすい。だからバンドの音も明るくてカラッとしてくる。キミエの歌う内容も、感情の奥深い暗いところではなくて、それ踏まえた上で、人間の明るくて分かりやすい普遍の部分が多い。一度はそういう表現を否定していた人が改めてそこに立ち返れる強さ。そんな強さがドルフィンピースの勢いの正体なのかもしれない。

7月もいろんなバンドの『勢い』あるライブが続くが、一種、『たたき上げ』の勢いのある彼らの音を聴きにきてほしい。


インフォメーション
  7/30(火) @ell.FITSALL
Dolphin Peace (CD発売ワンマン)
open19:30 start20:00 ad\2000 day\2500 (without drink)
Ticket Now on Sale!!
 



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