![]() ![]() 何もない空間。 ドラムもベースもギターもアンプもない。あるのはお客さんの期待に満ちた視線。 そんなステージにメンバーが現れた。持っている楽器はマイクだけ。 今日の主役は男性ヴォーカルグループ、Permanent Fish(パーマネントフィッシュ)だ。 ![]() ボイス・パーカッションKAZZ(カズ)、リード・コーラスTosea(トッシー)、Shunsuke(シュンスケ)、Takeshi(タケシ)、そしてベース・コーラスTakaaki(タカアキ)の5人がステージ中央に集まる。背後から照明が当たるにつれて彼らのシルエットが浮かび上がっていく。突然、早いビートのリズム音が会場に響き渡った。メンバー全員によるボイパだ。 ダイナミックなリズムセッションに続いて、少しワイルドで伸びのある歌声を持つShunsukeが『Private Eyes』を歌った。『飾りじゃないのよ涙は』では、Toseaの甘く透き通る歌声が、『Love lies』ではTakeshiの芯のある歌声が、お客さんを魅了していく。 ToseaのMCを挟んで始まった曲は『幸せな私の不幸せな悩み事』だった。女性の目線から書かれたオリジナル曲で、美しいハーモニーに鳥肌が立つほどに聞き入っていたのは僕だけじゃないはず。無数に走る光の線に囲まれて歌うPermanent Fish。 その透明感あるハーモニーを聞いて、淡水を泳ぐ華麗な魚を思った。 ![]() 今回のツアーの思い出をメンバーがそれぞれ語るMCもあったので、少し紹介。 ![]() 移動中の車中で眠っていたシュンスケは荒い運転のせいで起こされ、思わず素の声を出してしまい、その声が「かわいい」とトシに言われて恥ずかしかったみたい。刈谷のハイウェイオアシスでKAZZが足湯につかって、女性の足元に視線を奪われている間に、Takeshiはタイル壁が銀色で特殊加工のされた"デラックストイレ"に驚いていて、Takaakiはと言えば頂上に着いた観覧車の中から足湯につかるカズに手を振って彼の楽しみ!?を邪魔したりして。そうやってみんながハイウェイオアシスを楽しんでいる間、車の中で眠っていたToseaは一人置き去り。彼が唯一堪能したのは"デラックストイレ"だけだったとか。 そんなMCで会場が温かな笑いで満たされ、『P-rhythm』『You got my love』を挟んでの『Get ready』。ShunsukeがKAZZのビートに合わせて「ヘイヘイ」と歌いながら、腕を振り始めた。まるで卓球の素振りのよう。「何だろう?」とお客さんも首を傾げる。「意味わかんなくてもやって下さい!」とShunsuke。笑いながらお客さんも腕を振り始める。今度はメンバー全員が腕を振り始めた。卓球の素振りが5つ並んでいる。会場から爆笑の渦が沸き起こった。何かアカペラっぽくないけど、すごく楽しい。 ![]() ライブ会場全員による卓球の素振りで盛り上がってきた雰囲気のなか、『朝日のあたる道』でコール&レスポンス。反応が悪いわけがない。Shunsukeの「騒げ〜」の掛け声を合図にお客さんは手を振り上げ、歓声をあげる。パーマネントフィッシュもお客さんもとにかく楽しそう。 そして、ライブは終わりへと近づく。「次の曲が最後です」そう言って始まった曲は『街』だ。アカペラの真骨頂。静かな曲調にやわらかいトシの歌声が重なりあっている。「いつでも帰っておいでよ」と優しい歌声が客席を包む。こんなにも温かい気持ちになれるのは笑って、騒いで、美しい曲を聴いて、彼らの想いが心に浸透してきたからかもしれない。耳を澄まして心で聞けて、騒いで笑えるライブで。それが、Permanent Fishの魅力だ。そんな彼らが次に来てくれるのは5月3日。ゴールデンウィーク初日の日程はこれで決まりでしょ? |
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5月3日(水)@ell.FITSALL |
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