開場時間が迫り、今日だけは子供に戻った大人たちが賑わいながら集まってくる。無邪気に談笑する大人たち、そわそわしながら開場を待つ大人たち。彼ら、彼女らをそうさせるのは本日の主役達、The DUST’N’BONEZ・AGE of PUNK・そして今回、ライブレポートを書かせて頂く事になったMadbeaversだ。どのバンドもメンバー各個が素晴らしいキャリアを持ち、観客を魅了し続ける。稚拙な文章で大変申し訳ないが、このライブのアツさ、楽しさ、魅力が少しでも伝わったら嬉しく思う。
オープニングアクトであるAGE of PUNKがライブを終え幕が閉じると、Madbeavers目当ての観客が前へと進み、幕によって遮れているステージをじっと見つめる。チェックで音が鳴るたびに過敏に反応するその様子から、待ちきれないという様子が伺える。
数分後、ドヴォルザークの「新世界」をバックにJOE、Chirolyn、Kiyoshiの順で登場すると、Kiyoshiがいきなり大量のピックを客席に向かって投げ、ライブスタート!
まずは、5月30日発売のファーストアルバム”UNDERLIGHTNING”から「GALAXY WAY」が届けられる。これはノリの良いキャッチーな曲で、客席のエンジンをかけるのにはもってこいな曲だ。ついつい、体を揺らしてしまう。

続く2曲目「wheel」では、Kiyoshiが拳をあげて客席を煽る。曲終りでベース:Chirolynの紹介を挟み、3曲目の「Strange days」ではそのChirolynがボーカルを執る。途中、ギターとベースのフリープレイバトルもあり、Kiyoshiは艶かしくブルージーなフレーズで客席を魅了する。2、3曲目は既に発売されている楽曲ということも手伝って、煽りなしでも盛り上がりを見せる。客席全体にエンジンがかかってきて非常によい感じだ。
ここで5月30日発売のアルバムの告知と、Kiyoshiの「仲間と共に盛り上がっていくぜ」というMCにより会場全体の一体感が増し、4曲目「僕の女神」に突入する。この曲ではJOEがスティックを回しまくり、その存在感をアピール。回す回す、とにかく回す。手の中で意思を持つ生き物のように回るスティック裁きに場内からは、割れんばかりの黄色い歓声が!JOEのさすがの存在感を感じた1曲だった。
5曲目の「Color of symphony」はこのツアーが初披露とのこと。今までの曲とは違ったクリーンなギターが印象的であり、MCでKiyoshiが言った通りの目を瞑って聴きたくなる曲だった。
続く6曲目「clover」は、前曲の幻想感をふきとばすとてもキャッチーな曲で攻めてきた。Kiyoshiの声がピタっとハマる、個人的にはMadbeaversのキラーチューンとも思える曲で、ここでこのような曲を持ってくる、痒いところに手が届くこの曲順には、さすがの貫録を感じた。こんなキャッチーなロックを聴かされては、拳を上げずにはいられない。
ここで2度目のMCに入り、なんとKiyoshiが上着を脱ぎだした!!黄色い歓声の中「調子はどうですか?」とメンバーが煽りを入れる。観客は歓声でそれに応えノリのいい7曲目「Dive」が届けられる。そして、8曲目「Backademic」で事件が・・・。曲が始まって間もなく、ギターの音が出なくなってしまったのだ。シールドが抜けてしまったのが原因であったが、余儀なく演奏を一時中断。「たまにはあるよな」とKiyoshiが、本日のMC中に時々顔を出していた変キャラで答え、会場が和む。すかさず、「調子はどうですか?」と仕切りなおし、再び演奏が始まる。どこかの国の民俗音楽を思わせるようなJOEのリズム。これは、人間なら誰しもが少なからず持つ闘争本能をかきたてられる音楽だ。私も思わずテンションが上がってくる。先ほどの中断などなんのその、客席のテンションはすでにライブモードに戻っていて、それに応じるようにKiyoshiは体全体で表現するギタープレイで客席を挑発しているようにも感じる。
「まだまだいけますか?」とKiyoshi。そのままの勢いとテンションで9曲目「Burst」の演奏が終り、いよいよクライマックスへ。

愛してる名古屋のためにもう1曲」という、うれしい一言を頂き本日最後の曲「freeman scudelia」が始まる。5曲目とは違った幻想的なイントロで、浮遊感を感じるギターがすごく印象に残っている。この曲の効果か、激しいライブであったにも関わらず、非常に心地よく終わった独特のライブであったように感じた。
このイベントにお越しいただいた方たちは、40分という時間に魅力がたっぷりと詰め込まれた、彼らならではのライブを堪能していただけたと思う。しかし、正直なところ中毒性が強い彼らのライブが、40分では物足りない方が大半だったのではないだろうか?
そんな中毒者・中毒者予備軍の皆様、ご安心下さい。6月2日の土曜日、場所はell.FITS ALLにてお薬をお渡しします・・・(ワンマンライブ決行です!)。よりいっそう濃密なMadbeaversワールドを、皆様に間もなくお届けできるので、5月30日発売のアルバム”UNDERLIGHTNING”と共に心待ちにして頂きたい。私の体はもう疼いている。
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