マイスィート名古屋 |
今は、ニューヘブンにある「別荘!?」で、12日に及ぶ、休暇の最中。ともすればタイプAな人格に陥りがちなマンハッタンでの生活のテンポをニュートラル状態に戻す為に、酒もカフェィンもたって、ごろごろして過ごしている。考えてみれば、この月はちっとも、ハーレムの自宅には居ない。前半は、名古屋にショートトリップした。6日の間で、ニューヨークから往復したのだ。両親が結婚40周年だったので、そのお祝いを長島温泉で行なう為であった。ドアツードアで片道約24時間かかってしまうので、滞在は約4日。時差ぼけも覚めやらぬうちにUターンしてきた。 名古屋は、帰る度に都会になっていく。新しい国際空港ができるし、高層ビルとかが建設されたりしている。僕の育った名東区も万博の時に、古い公団が立て直されたりして随分、雰囲気もアップデートされた。そんな名古屋を観光するのも、13年間海外に住んでいるととても新鮮だ。 今回は、前々から楽しみにしていたセントレア(中部国際空港)の4階にある銭湯で、幼なじみのAkenと伊勢湾に沈む夕日を眺めながら一杯やるという夢をかなえる事ができた。到着早々、Akenに出迎えてもらって、ひと風呂あびて、「まるは食堂」で特大の海老フライも食べた。離れてみてはじめて感じたことだが、湾が多いせいからか、愛知県は実に海産物に恵まれた所だと思う。 長島温泉にもはじめて行った。あんな巨大な温泉施設だとは思ってもみなかった。そこにある巨大な温泉テーマパークで、あの金沢明子のショーを(両親と一緒に、)観る事ができた。あの紅白歌合戦にも出演して、ローソクの火も揺らすことなく、大滝詠一プロデュースの「イエローサブマリン音頭」を歌い、演歌のモダニゼーションに挑み続ける彼女のショーが、セルフサービスの巨大な座敷食堂みたいな所で、観れるのはとてもラッキーだった。民謡の歌い手としても知られている事もあり、それ系の歌も多かったが、最後に演った「東京音頭」のハウスバージョンは強烈だった。座敷を埋め尽くしていた老人と子供は、彼女の懸命なる「煽り」に、反応がやや鈍かったが、我が父はなぜか大喜びして(手拍子も独りだけ裏打ち)でのっていた。ショーの後、金沢さん御本人からCDを購入し、2人で記念撮影もしてもらった。 今回、もうひとつ日本の夏に体験していなかったことで、楽しみにしていた事があった。それは、ビアガーデンに行く事だ(話がオヤジっぽくなっている。)しかも大名古屋ビルヂングの屋上にある「マイアミ」という古くからある場所。目の前には、ツインタワーとミッドランドがそそり立ち、かつての名駅の面影あまりない。そこにはマイちゃん、アミちゃんというキャンペーンアイドルがいて、ショーをやっていた。「マイアミーゴ」、「夜の名駅」など、地元にまつわる内容の歌をノリの良いTKサウンドみたいなのにのせて、子気味よいダンスとともに歌っていた。その後、訪問販売に来たマイちゃんからCDを買って、また一緒に記念撮影をしてもらった。 その後、空港へ向かうまでの3時間は、今池ロッカーズ時代の仲間に会った。長年タイでの暮らしを終えて帰国しているシュウちゃんだ。パルコの前にある広場で、ジャンベを利用して作ったドラムセットを叩きまくりながら、僕を迎え入れてくれた。その日本人離れした(無国籍な)ノリの良さは健在で、久しぶりにセンパで一緒にジャムった。それから、こじんまりしたライブスペース飲み屋にいって、それから今池繋がりのタッちゃんがオープンした「ラブシンジケート」という新栄の飲み屋へ行った。カウンターバーで席数はそんなに無く、アーティスティックな内装で、小さなDJブースがバーのすぐ横にある。タッちゃんの選曲を楽しみながら、会話も弾む距離感で、居心地が良かった。セントレアへの終電が11時10分だったので、長居はできなかったけど、また訪れてみたいバーだ。 空港のホテルで一泊して、朝日の目映い午前7時に待ち合わせして、Rootsのドラマーのおけいさんと一緒に珈琲をのんだ。今度一緒にレコーディングする打ち合わせとか、この旅の出来事とか喋った。乗り継ぎの成田で、お決まりの天ぷら蕎麦を食べて、ニューヨークに向けての12時間の空の旅にでた。運良く非常口前の席がとれたので足をのばすことができた。到着後すぐにアポイントがあったので、暴睡し続けた。 JFK空港に到着し、長蛇の列の外国人用の入国ゲートを横目に、アメリカ人用のゲートで入国審査。いつもは楽勝な筈のJFKもなんか雰囲気が違った。そして、税関で僕は運悪く、荷物検査をされて、大量のフリーズドライのマルサンのみそ汁や味噌煮込みうどんを没収された挙げ句、虚偽の申告!?をした罰金として300ドル!も払わされてしまった、、。正確には、食べ物の持ち込みは申告書に正直に記入しなければならないようだ。粉末でも豚や鰹などのダシが含まれる物は、原則的には持ち込みはできないらしい。没収というケースはたまに聞いた事があるが、罰金を課せられたのは、僕がはじめてなので、ショックであった。皆さんも、渡米の際は気をつけましょう。 アメリカに戻って来た翌日、大学のレコーディングスタジオで友人に、もち帰って来た金沢明子とマイアミのCDを流しながら、デジカメの写真をみせて土産話をした。音質の良いスピーカーから再生される音が閃光のようだった4日間の出来事をよりドラマタイズするのであった。そして、その友人はメイドイン名古屋のマイアミのファンになっていた。 モクノアキオはニューヨーク市立大学で、作曲と録音の勉強をしながら、エレクトロプタスというノイズバンドで、ベースとボーカルを担当している。www.spiraloop.com |
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