ビアンコネロ

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ビアンコネロ、イタリア語で、bianco=白、nero=黒、という意味をもつこのグループはそんじょそこらのバンドとは色んな意味でちょっと違う。古賀たかし、稲田裕之、古川けんぢの3人がそれぞれ歌い、色んな楽器を演奏する。そこにある音楽はどこか温かみのある、心に染み入る言葉とメロディ。そしてライブはといえば、目の前にいるオーディエンスを楽しませるためには労を惜しまない。ある意味、原始的で直線的。でも、そこから感動が生まれる。名古屋では久々のワンマンライブが決定しているのでリーダーの古賀たかしに直撃インタビューを試みた。

―ビアンコネロというのは一体どんなグループなんでしょうか?

古賀:「とりあえず3人ともボーカルをとって歌っているグループなんですけども、大人の為の「みんなのうた」を歌っているような、そんなグループなんじゃないかな、と思ってます。「みんなのうた」って本当、色んな気持ちをくれたじゃないですか?子供の時に。あれの、もうちょっと大人になったバージョンというか、喜怒哀楽が深くみえるようなバンドなのかな、と。 」

―いわゆるバンドとはちょっと違うじゃないですか?みんな歌うし、楽器もそれぞれいくつかやるし、多才というか。

古賀:「音楽っていうか曲が伝わってくれればいいんで、その為には手段を選ばないっていうか。一人、ヨゴレ役みたいなのがいるんですけど(笑)、そういった人間の垢というか汚れというか、そういうのも見せた上で楽曲がみんなの中に浸透していけばいいかなって思って、ああいう手段をとらせていただいているんですけども(笑) 」

―お兄さんがデザイナーさんで、ジャケットなんかもデザインされているんですが、イメージ的にアナログ感を大事にされているのかな、と。楽曲も含めですが。

古賀:「僕も人並みではありたいんですけども、人並みにのまれすぎると1アーティストとして際立ってはこないじゃないですか?なので、人並みになるならその人並み列車の運転手になって、みんなをけん引していければなって思って。アナログ感を出した方がより歌が伝わるんじゃないかなって思ってます、今は。 」

―ものすごく音楽も気軽に聴けちゃう時代になってるじゃないですか?パソコンでもケータイでも。でもビアンコネロのライブって、お客さんに対して直線的っていうか、ダイレクトに伝わるんですよね。ライブって本当はそういうものだとは思うんですけど、その間に小細工がないのが素晴らしいですよね。

古賀:「それは嬉しいですね。」

―ともすれば実は演奏していないバンドもいたりするじゃないですか?

古賀:「はいはいはい・・・それはもう、書いちゃってください(笑) 」

―(笑)書きますよ。でも最終的にそういうものが伝えられないってことは・・・

古賀:「そうですね、どんどん淘汰されていくんじゃないかな、とは思います。あの、本当に本質的なものを歌えなかったりすると、結局のところ淘汰されるだろうな、って思ってるんですよ。さっきも言ったように、人並みに飲み込まれるというか。 」

―誰でもCD作れちゃうし、誰でも流通にかけれる時代ですからね。そうすると全体のクオリティは下がりますよね。

古賀:「本当に切実な想いがなくたって、小手先で、好きとか楽しいってだけで出来ちゃうじゃないですか。コピー&ペーストでも(曲が)できるし。っていうところで僕らが音楽をやる意味合いがあるのかなって思ってるんですよ。僕らもルーツミュージックになんとかして追いつきたいだけなんですけども。やっぱ僕らが憧れてきた時代ってそれぞれのアーティストが個性的だったし、僕らもきっとそういう風になりたいだけなんです。 僕が憧れた音楽っていうのが結構ナナメに見られがちというか、みんなにとって、人並みにとってど真ん中ではなかったりするんです。それをなんとかみんなにこういう音楽もいいんだよ、いいだろってなんとか僕らビアンコネロが提示していければいいなって思っているんですよ。XTCだったりTHEY MIGHT BE GIANTSだったりというバンドが僕のルーツにあって、なかなか一般の方が触れることはないと思うんですよ。ちょっと音楽好きな方だったらわかるけど。一般の方にそういった音楽を、ここにもこういう楽しい音楽があるよってのを提示できるバンドだと思うんですよ、ビアンコネロっていうのは。そしてそこから、もっといろんな音楽を聴いてくれるんじゃないかと。 」

―今回、10/13にビアンコネロワンマンライブ『ayumi-歩み-』がell.SIZEで行われるわけですが、どういった内容になるんでしょうか?

古賀:「前回、名古屋はなかったんですけども、マンスリーでワンマンライブをやって、そこでなんとなく土台が出来上がったので、それを更にパワーアップした感じでやれればいいなって思ってるんですけど。数々の趣向は凝らしてはいるんですよ(笑)ちょっとした驚きを要所要所に盛り込んでいければなって思ってます。 」

―ライブの後に交流会というのもあるそうで、こちらはまた番外編な内容になるんでしょうか?

古賀:「そうですね、ライブでは言えない事だったり(笑)、言っちゃいけない事だったり(笑) 」

―アフターパーティー的な感じでしょうか?

古賀:「そうですね、そういった感じで来ていただければと思います。 」

―それでは最後に名古屋のビアンコネロファン、「ネロっ子」・・・

古賀:「「ネロっ子」ってどこから発生したかわかんないんですけど、あれ、イヤなんですよ(笑) 」

―おっと!ではみなさん、以後「ネロっ子」は禁止です!(笑)さっきウィキペディアに書いてあったんですよ、”ビアンコネロのファンを通称「ネロッコ」と呼んだりする。”って(笑)

古賀:「本人達は嫌がってるらしい、って僕ウィキペディアに書いておきます(笑) 」

―(笑)それでは、名古屋のファン、並びにこれを読んで、なんか面白そうだぞ!と思った方に向けてメッセージをお願いします。

古賀:「名古屋でワンマンライブっていうのが本当に久しぶりなので、空白の部分で何をやっていたのかっていうのをここで証明できると思うので、足を運んでいただければなって思います。今までビアンコネロのワンマンライブとか来たことがないけど、興味はあるぞっていう方はですね、お笑いが好きな方とか、ビジュアル系が好きな方でも、一回来てみろと、騙されたと思って来てみてくれ、と。そこにはそこで音楽の楽しさが詰まってるから。洋服を買うのを我慢して来ていただければ、その洋服分の気持ちは持って帰っていただけるんじゃないかと思ってます。 」

―ありがとうございました。楽しみにしてます。


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