社説

能無しがCDを作る現実


 今年のCDリリースラッシュ。インディースを含まないでメジャーだけでも今年デビューした新人バンド約1200。毎月百。ゲッ!その中で来年いくつ残っているのやら。チャートを賑わす名前も知らないバンド、いつの間にか消えていく。世紀末に向かって恐ろしいサバイバルゲーム。でも誰もそんなことお構いなしに魔法の言葉「デビュー!」。

 する方もさせる方も、デビューする事だけ考えてる。育てるとか大きくするとかのノウハウは誰も持ってない。最近流行の即戦力。ようは自分で売れないから何もしなくても売れるバンドの事。卸売り市場じゃあるまいに。安く仕入れて高く売る。そりゃまあそれでビジネスなんだからと納得されても困るわな。

 バンドだって人間なんだから寝かされたら腐る。おバカなディレクターの甘い見通しでデビューしたもののライブが出来ないバンド。新譜の出ないバンド、ツアーが出来ないバンド。演奏が出来ないバンド。曲が書けないバンド。そんなバカな。訳知り顔の業界君が出しゃばる前はライブもツアーもやってたし、自分達だけもでCD作ってた。

 特に昨今、猫も杓子もいい曲いい曲のセリフを連発。音の違いもわからん能書き垂れに限って何がいい曲なのかわからんまんま、OK出して売れなかったら自分のクビが危ないもんだから、これがまたどんな曲を持っていってもOK出ない。誰かエライ人のお墨付きかタイアップを誰かが付けてくれるまで「イヤー、サビがねぇ、、、」とかなんとか。自分の金でCD買うことも無く、関係者席でライブのただ見してて、お客さんの気持ちがわかるハズがない!会社の金でぬくぬくと、でも責任はいつもバンド。

 アホほどいるアホを蹴散らしてやりたいこと貫く根性鍛えてからでないと痛い目にあうぞ。でも、インディーズだって支えてくれるお客さんがいなかったら同じなんだけどね。