ここは師走の西大須。吉野屋の前に音もなく停まったジャグア(徳大寺調)のドアが開かれる。

女王「ボンソワ。ところで一体何の用?ワタクシ忙しいのよ。用事なら執事の中村に申し付ければよいものを…」

クララ「はっ、わざわざ女王に御足労願ったのは、大須便りの企画で、我らが女王にこの一年を振り返って頂こうという訳でして…これはアシスタントのハイジです。」

ハイジ「初めまして、よろしくお願いしまーす。」

女王「…。帰るわよ中村。」

クララ「待って下さい、勿論お礼もご用意してございます。99年度版バンドマンお電話帳(未成年男子限定)などいかがかと…」

女王「そうね、今年はバンド内の動きが激しかったわね。メンチェンとか…」

ハイジ(イキナリ本題に入る?普通…)

女王「一つのバンドが何度もメンチェンしたり、バンド間のメンバー交換があったり。旧AとかF、Cとか。特にFは音楽も変わってしまったわね。旧Aは全然変わってないけど。」

クララ「メンチェンがうまくいった例は?」

クララ「SはDrが入ってやっとバンドとして認識されたって感じはあるかもー」

女王「Bはどう?Baが変わってカラーが変わったわ。前はまとまってはいるんだけど、しっとりし過ぎ。今はNちゃんが引っ張ってるって感じ。すごく元気があるわね。」

ハイジ「BS優勝おめでとー」

クララ「他に印象的だったバンドは何ですか?」

ハイジ「ちょっと歌謡ロックチックなCとかMとか…沢山あるけど、やっぱり私はEかな。」

クララ「妊娠で活動休止」というショッキングなニュースもありましたが…

女王「ワタクシはあーまたかと思ってたわ。」

ハイジ「えっなんでー?」

女王「ワタクシが応援し始めるとバンドが潰れるという無礼なジンクスがあるのよ。」

クララ「バンドとしては『やばい!女王に魅入られた!』って感じ?」

ハイジ「でもぉ、妊娠って大須便りに載ったでしょ?本当ですかって電話もあったらしいよ。出来るかっちゅーの!」

女王「あれは誤報よ。真相は想像妊娠だったらしいわ。来年には復活できると思うわ。」

ハイジ「Cもいいな、若そうに見えるけどキャリア長いかも。今なんでこんなに受けてるのかなぁ?」

女王「Gと友達になったからじゃなくって?」

ハイジ「EもGのファミリーなんでしょ?イベントもいろんなバンドが観れて面白かったよねー」

クララ「そのGも前とはだいぶ変わりましたね。」

女王「以前は曲は全部SM(曲名)だったもの。」

クララ「その手のベテランと比べて今年デビューの盛り上がってるバンドは?」

女王「Zはずっと動員があるからすごいわ。やっぱりミッシェルガンっぽいから?ワルぶってる子って可愛いわ。Dとか。」

クララ「今年出てきたバンドって皆チバかYUKIちゃんですね。それとビジュアル。」

ハイジ「ELL的には何か影響あったかな?BO祭りとか…」

女王「BO祭りに出た2バンドは暖かくお客さんに受け入れられたらしいわ。でもELLに出てるバンドにはあまり影響なかったみたいね。」

ハイジ「でもぉツアーで来たノー?イエス!はすごく元気があって観てて楽しかったな。」

女王「確かにツアーバンドの勢いの良さは印象的だったわね。ナオコ&ジ・インフェクションズとかオレンジキャンディ、グルーミーモンスターも良かったわ…。やっぱり過酷なツアーの中で絶対に何か持って帰ってやるっていう気迫があるからかしら?」

クララ「ELLに出てるバンドも負けないで欲しいですね。」

女王「何言ってるの?ELLにだって元気の良いバンドがたくさんあり過ぎて、どの子にするか(下僕を)困るくらいよ!次のゲットアキックのオープニングを飾るT改めBやイメチェンを図ってるB。特にこの前のBのライブなんてすごかったのよ!」

ハイジ「えー、観てなーい。」

女王「何ですって!アレを観てないなんて話にならないわ!」

クララ「その他にコレは!ってバンドは?」

女王「可愛い男の子好きのワタクシとしては若手のAやJね。あのナヨナヨ加減が母性本能をくすぐるの。それとは対照的なパワーが売りのAも素敵…」

ハイジ「私は今頑張ってる発展途上バンドに活躍して欲しいな。Aとかライブの時にチケットもぎってるとぐっときちゃうもん。」

女王「ぐっときちゃうバンドなんてゴマンとあるわよ!Cでしょ、Mも可愛いわ、あとGB、GMね。」

ハイジ「(意味が違うのに…)でもぉ後ろの2つってそんなに若くないじゃないですか…」

女王「お黙り!最近ワタクシも守備範囲を広げたのよ!世紀末だし…」

ハイジ「えー、世紀末だと何で守備範囲広げるんですかぁ?」

女王「しつこい娘ね!7月で世界は終わるかもしれないからよ!ワタクシ失礼するわ!中村、帰るわよっ!あっこのお電話帳は頂いてゆくわ。さぁ帰って電話電話。」

 走り出すジャグア。残された二人。

ハイジ「あーあ、行っちゃった…とにかく、来年も女王もバンドも頑張ってほしいな。」

クララ「(女王はこれ以上ガンバらんでくれ…と祈りつつ)7月で世界が終わっちゃてもいいようにね?」

ハイジ「ねーっ」