今ELL周辺でヒソカに囁かれるこんなウワサ・・・「夜の金山がいいらしいよ」「いやいやナナちゃん前も捨てがたい」「何言ってんの!やっぱ栄でしょ!」これを見て、「ああアレね、マッキーもさー、やっぱ美少年と一緒はマズいっしょ・・・」と思ったアナタはちょっとスポーツ新聞の読みすぎです。今、金山、名駅、栄を中心にストリート・ミュージシャンが急増してるらしい、これがウワサの真相です。

 ウワサは実にいろいろで、ELLに出演している某バンドCは○○で弾き語っていたら、家出少年と間違われたのか、2千円も通りががりのお客さんにもらっちゃった、とか、Bというバンドは金山でこれまた弾き語りをしていたら、いい感じに人が集まってきて、しかもおかんと同じくらいの歳の人妻に誘惑された(おまけに彼ら的にはばっちり守備範囲だった)とか。特に多いのが、お金をもらった、デモテープ、CDが飛ぶように売れた、というウワサ。C(さっきのとは別ね)というバンドなんか、一時間の弾き語りの間に、なんと5枚もCDが売れてしまったらしい。ということは12分で1枚、これはね、ヘタしたらグレイよりもハイペースかもよ、ってたとえが悪すぎるか?

 この一見バンドくん達にとって追い風とも思えるこのウワサ、彼らの音楽に共感してくれるたのもしい人達が増えてきた証なのか、それともよっぽど可哀想で思わずお金あげちゃった・・・という情け深い人がそこに多いだけなのか?真相を探りに大須便り編集部も密偵を放ってみました。

 ―某日金曜日午後6時の金山総合駅アーケード。ここは地下鉄とJR線、名鉄線が連絡していて、確かに人の集まりやすい場所ではある。しかも帰宅ラッシュ真っ只中で、すごい人だ。が、皆オナカが減ってるのか、改札目指して一直線に歩いていく。週末の始まりなのに、お目当ての弾き語りバンドもいない?・・・あっいた!あれは「ダーリン」でおなじみのAのVGの人じゃないか!一人で弾き語ってる!・・・が、立ち止まる人はほとんどいない。A曰く「先週はいい感じだったんだけど・・・」―そんなに夕飯が大事か!と憤慨したAの人と一緒にナナちゃん前に行ってみることに。待ち合わせのメッカだけあって、暇そうな顔をした若者がたくさん。フォークギターを手に、座り込んで「ゆず」の曲を歌ってる人達がちらほら。あんまり音は大きくないな。Aの人も早速ギターを取り出し歌い出した。数分後・・・彼の大きな声を聞きつけた名鉄百貨店の警備員がとんできた。「ここは私有地だから!」なんだよー!「ナナちゃん前はイケてる」なんて嘘っぱちじゃんかよー、とイジけて帰るAと密偵。 ―懲りずに翌日の土曜日、午後8時金山総合駅アーケード。あれっ?なんだか今日は色んな音がしてるぞ。見渡すといるわいるわ、全部で8つぐらいかな。「ゆず」はもちろん、「スピッツ」「ブルハ」など、そんなんアコギでやってえーんかい?って突っ込みたくなるような楽曲のオンパレード。上手い人もいればヘタな人もいる。オリジナルを演っていた人に声をかけてみる。

 今幾つ?「17歳」若いねー、いつからやってるの?「半年くらい前」なんでココでやってるの?「トモダチできるし、なんかカッコイイから」恐い目に遭ったことない?「まったくない!たくさん人がいて安心だし」実際、この若者の前にも5人ぐらいの女の子が足を投げ出して座り込んでくつろいでいる。もう4時間もこうしているらしい。なんでココにいるの?「塾の帰りにいつもこうしてなんとなく…」 「ここで会える友達もいるから」

 話をきいていると、人垣がたくさんできているフォークデュオを発見。あまりにお客さんが多くて取材困難なため、ほかの弾き語りの人に聞いてみた。「あれはねー、Sっていうフォークデュオで、最近ここで人気がすごく出て、ライブハウスにも出演してるらしいよ」そういえば、「ゆず」も路上からブレイクしたんだっけな。君達もそういうふうになりたい?「うーん、でも受験もあるしな。あと3回やったら今年はもう止める」あらら。意外とクールなのね。密偵なんだか寂しくもなってしまいました。

 という具合に、一部ではありますががウワサの実態を探ってみて、実際のところ確かにストリート・ミュージシャンはいましたね。特に金山は弾き語りの他に、本を片手に「UFO存在の証明」を説くパフォーマーもいたりで、かなり面白い空間にはなってます。取り締まりも一応あるようですが、実際はよっぽど音を出さないかぎりは黙認状態なのが現状です。

 じゃあココはバンドくん達のパラダイスになるか?といわれると、それはどうかな?というのもある。勿論、デモテープやCDを買ってってくれたり、足を止めて演奏をきいてくれたりする人もいるんだけど、それ以上に多いのが、なんとなく居心地が良くて、そこに居着いちゃってる人達。演奏する側も然り。でも、ガングロの女の子たちが道に座り込むように、一見フツーの人たちも、こういうところに居場所を見つけたのかな、と思うとなんだかそれも愉快でもあるし。

 私もそんな場所がほしーいという人も、いいや私は純粋に弾き語りが見たいのだ、という人も、いやいや私は純粋にお金や人妻の誘惑が欲しいのだという人も、一度行ってみて。とにかく色んな人がいるし。色んな人が集まってくるってことは、それだけこの場所がオモシロくなる可能性もあるってこと。別に音楽に限らなくても、堅苦しい場所じゃなくて、こういう場だからこそ出来る表現ってたくさんあると思う。まぁ同時に、集まる人の思いによってはサイテ―な場所になる可能性もあるしね。そこではまた新しいウワサが生まれてくるんだろうな。その時は大須便り編集部にもご一報を。真相の究明にあたるからね。