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99年度賞金王登場 zoophilia

 「当然だな」おのずとやってくる2000年に対する懺悔なのか、20世紀もいよいよ幕を閉じるべくあらゆる場でのジャッジが、より正当なものとして下されるようになってきた様だが、99年トヨタミュージックバトルの優勝バンドの一報を聞いた時確信となった。同時に困惑した奴らの顔が浮かんだ。なんか不信そうだ。当の「ズーフィリア」水谷俊介(Vo)はどんな胸中なんだろうか?

―トヨタミュージックバトル出場のいきさつは?

「完全金目当てだて、決まっとるがそんなもん(笑)っていうかオレらの事知ってる人は絶対にそう思うっていうのは、まずオレらは大会は似合わんって事。絶対に似合わんから金目当てという訳じゃないが、まあそれが80%。20%はああいうのっていっぱいの人の前でやれるじゃん。で、その客がいやでも聴く訳じゃん、大勢の。だからそういう時にオーディエンスはどういう反応するのかなって、大きいホールでオレらがああいうライブをやった時に。そういうちょっと試験的な部分もあったけど…。でも対バンやる時とあんま変わらんかったけどね。一番前の奴滅茶苦茶こうひいてさ、うそーって顔しとるし(笑)」

―自分達が優勝だって決まった時どうだった?

「オレ、マジで思ったの、『なんでオレら優勝したんだろう』って。オレら他の大会にも出たじゃん。賞は取れんかったけど、でも司会の人が気に入ってくれたみたいでさ、打ち上げで『お前らみたいなバンドはいないといけないな』だってさ(笑)。」

―コンテストに対して否定的に思った?

「どうなんだろうな、アレだね、聴いとる人は聴いとるんだなって思った。オレらが優勝したっていうのもあるけど、ズーフィリアっていう、こういう事やってる奴らもいるんだっていう事を多分何人かは感じてくれたと思うの、それだけでいいかなって思う。ライブなんてさ、言っちまえば客がいてナンボのもんだが。オーディエンスがオレらの音を耳にするわけでさ。ほんでその…。確信なんだけどオレらがなんでメジャーデビューしたいかっていった時と同じ理由で、いろんな人にっていうか、万人にオレらの音を一回でも聴いてもらって何かを感じて欲しいもんでメジャーデビューしたいといってる訳でさ、だでライブをやる。審査員からの質問に答えたんだけど、『小っちゃいハコも好きなんだけど大きいとこでやるってのもいいな』って。大勢の人間の前でライブをやれるって事自体がオレらには意味があったな。優勝うんぬんはあんま思っとらんかった。」

―賞金はどうする?

「かっこ悪いけどレコーディングにまわす(笑)で、CDにして出す、最近東京のライブばっかで名古屋で数打ってないで寂しいね。お客さんに新しい音を届けたい。」

―今後の展開は?

「とにかくライブがやりてえ。けっこうオレもなまいきなこと言っとるから『なんだコイツ』って思うんだったら、いっぺん見るべきだわ。本当文句でも何でも言えって思うしさ。いろんな客の前でやりたいね、まぁ…。オレらもよう分からん先のことは(笑)。」

「当然だな」ズーフィリアの優勝に対して自分はそう思ったと言ったら、奴は困惑した表情で笑った。「優勝おめでとう」と言ったら「ありがとう」と同じく笑ったが、なんか確信めいた様な目に戸惑ってしまった。会話の中で、特に活字になってしまうと排他的ともとられてしまう奴の言葉だが、「こないださ、あるバンドのライブ観に行ったの。すごいかっこよくてさ、何がってその目のきれいなこと(笑)、あんなのおるんだね」とむじゃきに話したりと、割と純粋な奴なんだな。

 ズーフィリアは年明けから活動が活発になる。次号大須便りで詳しく載ると思うが、CD発売、東京方面では実に10日間で5本のライブが予定されている。その意味するものは何かきっと答えが出るだろう。2000年というリセットに対して彼らはきっと選ばれた人間になるんだろうな。