大石昌良

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大石昌良というミュージシャンは本当に底が知れない。Sound Schedule解散後、ソロとしての1stアルバム『あの街この街』をリリースした時点で既に完成されていた大石ワールドだったが、新作『ラブ』ではすでに新しい世界への扉を開いている。それはすごくエネルギッシュな陽の世界。そこに至る大石の変化を探るべく、インタビューを試みた。

―まずは、6/17に発売になりましたニューシングル『ラブ』についてお話を伺います。前のシングル2枚とアルバムと比べると非常に明るいですよね。

大石:「えぇ、激ポップですよ」

―ジャケットもそうですしね。これは大石さん自身の心境の変化とかあったんですか?

大石:「ミュージシャン的立場からすると、アルバム1枚作って、それを引っさげて全国ツアーをまわったら、1クールの終わりみたいな感じがあって。それで、次のフェイズに移ろうっていうところで、今回また新しいプロデューサーさんを迎えて、音作りに関しても色々と練りました。前回のアルバムまでは僕の故郷の愛媛をテーマにしましたが、今回は次の街の神戸を舞台にしたら、ポップで、賑やかで、モダンな感じに仕上がりましたね。」

―古きよき時代のロックンロールな感じも入ってますもんね。

大石:「そうですね・・・ビートルズとベン・フォールズを足して2で割ったような(笑)」

―(笑)でも、ビートルズにしてもベン・フォールズにしても、リスペクトしている日本のアーティストさんって多いですけど、往々にして上手く消化しきれてない感じがあるんですよね。日本語でやるとダサくなっちゃうっていうか・・・

大石:「そうですよね、わかります。」

―でも『ラブ』を聴いて、僕は誰かみたいとは思わなくって。シンプルに大石さんの新しい路線だな、って感じを受けたので、うまく消化できてるんだと思います。

大石:「ありがとうございます。」

―あ、これ余談なんですがニュースでみましたよ。『ラブ』が『婚カツで聴きたい曲、第6位!!』

大石:「あー、これはもう組織票ですね(笑)」

―いやいや (笑)

大石:「いやでもね、ほんとありがたい話で。大塚愛さんに並んでるの、大石昌良が。この曲は、かなり前向きなエネルギーのこもった曲でもありますから。」

―前作の『あの街 この街』で見れた、大石さんの”陰”の部分に対して、今回は”陽”の部分が前面に出ていますが、これからの大石昌良はどうなっていくんでしょう?

大石:「ちょっと次回はまた変わるかもしれないですね。色彩感の豊かなアルバムを目指してるんで。曲の振り幅を広げたいんですよね。楽しいときも悲しいときも、思いっきり表現できるようなアルバム作りを進めているので。すごく楽しめるものが出来ると思いますよ。『この人の頭、大丈夫かなぁ?』ってぐらいまで落とし込もうかな、と(笑)」

―それではライブのお話を聞きたいと思います。名古屋は8/30(日)ですね。

大石:「アコースティックツアーで。内容的に、すごく充実したツアーになるんじゃないか、って思ってます。今回はアンプラグド編成で、僕の弾き語りにプラス、ピアニスト他が入りつつ、アコースティックライブならではの臨場感といいますか、歌の力というのを楽しめる形にしたいな、と思ってます。」

―この前、SAKAE-SPRINGで久々にアコースティックスタイルの大石さんを見たんですが、すっごく良くって・・・1人で全然いいじゃんって思っちゃったんですよ。

大石:「それはね・・・実はみんなに言われるんです。でもそれって、バンド内で僕がコンポーザーになって、みんなを導き切れてないって事なんですよね。それは重々承知してるんで、何とかしないとなって考えてはいるんですよね。僕は、ソロミュージシャンたる者、足し算をしていかないといけないって思うんですよ。バンドは割り算だと思うんですね。その辺の方程式を、昔のバンド時代と一緒にしてた感はあるんで、意識的に改革をしていかないと、とは思ってます。8/30のELLでは、素晴らしい足し算が出来ると信じてるんで。信頼できるピアニスト 扇谷件人さん等も一緒ですし。その辺もみなさん楽しめるんじゃないかな、って。余裕が出来た分、例えばカバー曲とか、バンド時代の曲とか・・・もしかしたらやるかもしれないですね。ちょっとわかんないですけどね。」

―やらないかもしれないし?

大石:「そうですね。その辺はまだまだわかりません。」

―いやー、でも余りに完成度が高いって思っちゃったんですよね、1人のスタイルってのが。

大石:「目指してるところではあるかもしれませんね。クオリティの高い、ちょっと人とは違う、スナフキン的な。色んな人がいて、それぞれ個性がありますけど、『1人でも全然出来るじゃん?』ってのが僕の個性としてもう少しレベルを上げたいな、とも思ってますし。例えば、男の子が見に来た時に、『俺もこんな風に弾き語りしたい!!』みたいに、憧れの念を抱かれるような、そこまでクオリティの高い、かっこいいものをみなさんに提供したいな、って思います。それに向けて必死に頑張ってますしね。」

―いや、この前見たときに、まさにそんな気持ちになったんですよね。でも僕はギター弾かないから、一緒に観てたギタリストに『お前もあれぐらい上手くなれよ!』って(笑)

大石:「いやいやいや、僕もまだまだですよ。でも向上心を持ってスキルアップのために練習するのは、音楽人としての礼儀だと思うんですよね。それに良い歌を唄うための1つの料理方法みたいなものなんで。その引き出しが多ければ多いほど、ステージ上で動じずに良い歌が唄えるんじゃないかな、って思いますね。」

―それでは最後になりますが、オオスプレスの読者に1言お願いします。

大石:「僕は今すごく自分で納得してる音楽を世に出してるつもりですが、1度聴いていただかないことには賛否の判断つかないと思います。僕が今やろうとしていることとか、やりたいこととかを、流し聴きでもいいんで聴いてもらえたら、って思います。そして少しでも気に入ってもらえたら、是非とも8/30のELLでのライブに足を運んでいただけたら、と思います。 」

インフォメーション
 

大石昌良の次回ライブは・・・
8月30日(日) @ElectricLadyLand
大石昌良 THE アコースティックツアー 〜夏の終わりにユートピア〜
open16:30 start17:00 
前売¥3500 (without drink)
Ticket Now on Sale!!

 

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